

がりょう-てんせい【画竜点睛】
物事を完成するために、最後に加える大切な仕上げのたとえ。また、物事の最も肝要なところのたとえ。文章や話などで肝心なところに手を入れて、全体をいっそう引き立てるたとえ。▽「睛」はひとみ・目玉。転じて、物事の大切なところの意。一般には「画竜点睛を欠く」と用いることが多く、この場合は最後の仕上げが不十分で、肝心なところが欠けているため精彩がないことをいう。「竜りょうを画えがいて睛ひとみを点ず」と訓読する。「竜」は「りゅう」とも読む。
出典
『歴代名画記れきだいめいがき』
句例
画竜点睛を試みる用例所が此この好奇心が遺憾なく満足されるべき画竜点睛の名前迄まで愈いよいよ読み進んだ時、自分は突然驚いた。<夏目漱石・手紙>
類語
点睛開眼
故事
中国六朝時代、梁の絵の大家張僧繇ちょうそうようが都金陵きんりょうの安楽寺に四頭の竜の絵を描いたが、睛を描き入れると竜が飛び去ってしまうと言って、睛を描き入れなかった。世間の人はこれをでたらめだとして信用せず、是非にと言って無理やり睛を描き入れさせたところ、たちまち睛を入れた二頭の竜が天に昇り、睛を入れなかった二頭はそのまま残ったという故事から。
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